亡き父の過払い金返還請求を受け取ったNさん

―今回お話しを伺うのは、父親が過去に背負っていた借金の過払い金請求に成功したNさんです。

Nさん(以下N):よろしくお願いします。

―しかし、今は亡くなっている方の過払い金が返って来るとは驚きです。

N:はい、私の最初聞いたときにはかなり驚きました。もしかしたら、詐欺なんじゃないかと思ったくらいです。

―では、まずは過払い金発覚までの経緯についてお願いします。

父が残した借金を保険金から完済!

N:父は生前事業に失敗して多額の借金を背負っていたんです。コツコツ返していたので借金自体はかなり減ってきていたのですが、あともう少しで完済ということで父が病気で倒れてしまって…。

―それは、お気の毒でした。

N:それで、借金は父の保険金から返済出来るほどになっていたので、遺産を放棄せずに相続うることにしたんです。今思えばこの選択が重要な運命の別れ目でした。

―と、言いますと?

N:はい、相続を放棄していたら、いくら父の債務に過払い金があったとしても、過払い金を受け取ることが出来なかったらしいのです。

―なるほど、借金だからといって、何でも相続を放棄するべきではないということですね。

N:そうですね、しっかりと債務状況など確認して、どちらがメリットあるのか選択することが大事だと思いますね。私の場合は、保険金を利用して返済する際に兄が過払い金の存在に気づいてくれたんです。そのあと、弁護士の方に相談してみたら、返済に使った保険金以上に過払い金が返ってくることが発覚したんです。

―返還請求自体はスムーズに?

N:はい、父は書類の管理などしっかりしていたので、何の問題もなく過払い金の証明をすることが出来ました。でも、当時から法定金利内で融資が行われていたら、父も死ぬ前に借金をすべて返済出来たのではないかと思うと悲しいですね。やっぱり、病床に伏せている間も借金のことを気にしていたので…。

過払い金が発覚してから誰が相続するのかを話し合い

N:過払い金が発覚してからは、身内の中で誰が父の過払い金を受け取るのか話し合いが行われました。遺族全員で相続することも出来たのですが、父の借金を相続したということもあって、私個人で相続させてもらえることになりました。

―お父さんが残していったのは借金だけではなかったのですね。

N:はい、生前は借金のこともあって言い争いすることも多かったのですが、父が一生懸命生きていた証がこのような形で返ってきて嬉しく思います。このお金は本当に困ったときに備えて今でも大切にとっています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

N:いえいえ、私も久しぶりに父のことを思い出して懐かしくなりました。