―今回お話を伺うのは過払い金の返還請求によってブラックリストに登録されたWさんです。
Wさん(以降W):本当散々な目にあいましたよ。
―お察しします。それでは、まずは過払い金が発覚した課程からお願いします。
W:はい。
試しに確認すると大量の過払い金が…!
W:最初に過払い金のことを言い始めたのは妻でした。昔、まだ稼ぎが少なかった頃に妻が倒れて、医療費として200万円ほど借金をしていたんです。それで、もしかしたら過払い金が発生しているんじゃないかって。
―大変な苦労をされてきたのですね…。
W:そうですね。だから少しでも帰ってくる可能性があるなら確認してみようって。
―賢明な判断だと思います。
W:結局、弁護士に依頼すると過払い金が発生していることが分かって。それで、過払い金の返還請求を行うことにしたんです。
―それからは業者との交渉になったわけですね?
W:ええ、交渉自体はかなりうまくいっていたのですけどね…。
うまくいった交渉から一転、ブラックリスト入り
W:結局、その業者からは数十万のまとまったお金が返還されました。
―それは、嬉しかったでしょうね。
W:ええ、本当に棚からぼたもちというか、このまま終わっていれば、すべての結果に満足いっていたのですが…。
―そのままでは終わらなかった?
W:はい、おかしいと思い始めたのはそれから半年ほど経ってからでした。
―どのような異変が?
W:ええ、入会キャンペーンがあるからと聞いて、新しいクレジットカードを作ろうとしたのですが、審査で落ちてしまったのです。
―これまで審査に通らなかったことは?
W:ないですね、お金を借りていた時も、一度も返済が遅れることはなかったので。そこで、変だと思って、しばらく時期を置いてもう一枚のクレジットカードに申し込んだんです。
―結果は?
W:ダメでした。過払い金の返還請求を行なってから、金融関係の審査にはとことん落ちるようになってしまいましたね。そこで、信用機関に確認してみることにしたんです。
―信用機関というと個人の信用情報を取り扱っている機関ですよね?
W:ええ、弁護士に相談してみると、一度自分の信用情報を確認した方がいいと言われたものですから。そうすると過去の過払い金請求で信用情報に傷がついていることが分かったんです。いわゆるブラックリスト入りってやつですね。
―しかし、完済後の過払い金の返還請求ではブラックリスト入りはしないと、金融庁が指針を出しているはずですが…。
W:そうなんです。でも、時々手違いなどでブラックリスト入りさせられることもあるのです。もちろん、申請をすればすぐに信用情報の傷は無くなるのですが、気づかなければずっと審査を通ることが出来ないので、あらゆる融資を受けられなくなってしまうのです。
―それは怖いですね。
W:はい、私は弁護士の助言のおかげで気づくことが出来ましたが、この情報を知らないままブラックリスト入りしてしまっている方も多いと思いますよ。過去に過払い金の請求をしたことがある方はぜひ一度確認していただきたいですね。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。