友人に勧められて完済から10年近く経って過払い金を請求Oさん

―今回過払い金についてのお話を伺うのは、完済してから10年ほど経って過払い金請求を行なったというOさんです。よろしくお願いします。

Oさん(以下、O):よろしくお願いします。そんなに胸を張っていえる話ではないので恥ずかしいですが、お役に立てるのであれば何でも答えさせていただきます。

―ご協力ありがとうございます。10年というとちょうど時効が成立する頃合いでは?

O:そうなんですよ、だから請求するのがもうちょっと遅かったら何十万も損するところだったんです。

―それは大変ですね。では、まず融資を受けることになったきっかけからお願いします。


借金のきっかけは若い頃のちょっとした出来心から

O:お恥ずかしい話ですが、僕が借金を作ったのは若い頃にギャンブルにハマってしまったからなんです。

―ギャンブルというと?

O:色々やりましたね。パチンコ・競馬・競艇と色々手を出しました。社会人3年目になって生活にも余裕が出てきて、つい財布のヒモも緩んでしまったという感じですね。

―かなり負けこんだのですか?

O:いえ、大負けしていたらきっぱり辞めることも出来たのでしょうが、あいにくギャンブルの才覚もちょっとあったみたいで、トータルでもそんなに負け越すことはありませんでした。

―では、どうして借金を?

O:ギャンブルで一気に稼いだお金って何だか現実感がなくて、使うときにも一気に無くなっちゃうんですよね。ひどい時は一晩で十万円以上使うこともありました。だから、いくらギャンブルで買っても支出がそれ以上増えちゃって、結局収支はマイナスになってしまって…。


始めてお金を借りたのは大手消費者金融でした

O:生活がピンチになって、初めてお金を借りたのはCMなどでも有名な大手消費者金融A社でした。無人契約機でその日のうちにお金が借りられるものだから、何だか自分のお金のような気がして、やっぱり散財は止まりませんでした。

―そこからは、もうズルズルと?

O:そうですね。最初のうちは返済も順調に進んでいたのですが、ある日ふらっと寄ったパチンコ屋で大きく負けこんでしまった日があったんです。そこから、また更にお金を借りなければいけなくなって、A社の限度額もすぐに限界まで達してしまいました。

―結局いくらの借金を?

O:えーと、A社からは50万円、あともう一つB社から借りたのが30万円。あとはバイクのローンも20万円ほど残っていたので、トータルでは100万円ほどでしたね。そこまで借金が膨らんでようやくヤバイなって思い始めました。

―そこから借金の返済を?

O:はい、結局すべての借金を返済するまでに5年程度の時間がかかりました。あの頃は彼女との結婚話も進んだりして、色々とお金が必要で本当に苦しかったですね。どうにか彼女に内緒で完済した時には本当に嬉しかったというかホッとしたというか。


過払い金を請求するのはそれから10年後に?

O:はい、もう過去の話ということで妻や友人にこの話をしたら、法律事務所で働いている友人が「そのお金、いくらか取り戻せるかもよ」って。過払い金なんてヤミ金とかそういった業者の話と思っていたので、大手からしか借りていない僕には関係ないと思っていたのでびっくりでした。

―それはラッキーでしたね。

O:ええ、本当にラッキーでした。ただ、その時点で完済してから10年経とうとしていたので、とにかく弁護士に相談して急いで請求を始めてもらいました。

―当時の契約書などは持っていたのですか?

O:いえいえ、妻に隠していた借金なので、そういったものはすべて処分していました。

―では、どうやって過払い金の請求を?

O:当時の契約書は持っていませんでしたが、銀行口座を通して借り入れと返済を行なっていたので、当時の取引の証拠は残っていました。それを基に、弁護士さんが当時のデータを業者側に開示するように求めてくれたのです。請求を始めた時点で時効まで残り3ヶ月程度しかなかったので、本当にギリギリでした。

―過払い金はどれくらい返ってきました?

O:さすがに時効ギリギリということで全額は無理でしたが、過払い金のうち8割近くを返還してもらうことが出来ましたね。額でいうと車を買う際の頭金として大いに役立つ程度のお金が入ってきました。

―昔の借金のおかげで車を買えたというのもすごいですね。

O:確かにそうですね。ただ、僕の場合は本当に運良く時効ギリギリに気づくことが出来ましたが、僕と似たような状況で過払い金に気づいてない人も多いと思うので、とりあえず昔に借金をしたことがあるという人は一度弁護士に相談して欲しいです。

―ありがたいお話ありがとうございます。最後にこの記事を呼んでいる皆さんにメッセージはありますか?

O:えー、若い頃はついつい羽目を外しすぎることもあるとは思いますが、やはりギャンブルというのはハマるとなかなか抜け出せないので気をつけて欲しいですね。あとは、やはり法律に強い友人を持っておくと色々と助かりますよ。

―確かに、お金を借りる際には法律の勉強をすることも重要かもしれませんね。今日は色々と話していただき、ありがとうございました。