自力で過払い金の返還請求を試みて苦戦していたNさん

―今回お話を伺うのは過払い金の返還請求を自力で行おうとして苦戦していたNさんです。よろしくお願いします。

Nさん(以下N):はい、お願いします。

―しかし、どうして自力で過払い金請求を行おうと?

N:そうですね、やはり一番の理由となったのは弁護士にお金を払いたくなかったからです(笑)

―でも、自力で業者と交渉するのはかなり大変ではないですか?

N:かなり大変でしたね。やっぱり餅は餅屋、こういったことはプロに任せるのが一番だと身にしみました。

―では、これから詳しくお話を伺おうと思います。


事業の失敗で借金を重ねたNさん

N:借金のきっかけは事業で失敗したことでした。大学を卒業してから友人たちと一緒に起業したのですが、なかなか経営がうまくいかなくて…。最初のころは銀行から融資を受けていたのですが、今度は自分の生活がままならなくなってきたので、消費者金融からお金を借りるようになってしまいました。

―借金はそれからどうされたのですか?

N:はい、会社の借金は国の支援などでどうにか片付けることが出来たのですが、個人で借りた消費者金融からの借金はコツコツと返していきました。知人の紹介で新しい勤め先もすぐに見つかったので助かりました。結局、5年程度かけて完済しましたね。

―なるほど、それで過払い金はいつ発覚を?

N:一緒に起業した友人と久しぶりに会ったときに、過払い金の話になったんです。彼も私とどうよう消費者金融から借金をしていて、つい先日過払い金を返してもらったという話でした。

―その方も自力で過払い金を?

N:いえ、彼は弁護士に依頼して返還してもらったらしいですが、やはり費用もそれなりにかかったと愚痴を言っていたので、もし自分に過払い金があった時には自力でチャレンジしてみようと思ったんです。

―それは凄いチャレンジ精神ですね。さすが起業家といった感じです。

N:ええ、昔から他の人がやらないことにチャレンジするのが好きだったので、その結果、起業には失敗してしまったんですけどね(笑)


自力での過払い金請求は難関の連続だった?

―しかし、自力で過払い金の請求を行うのは難しかったのではないですか?

N:ええ、請求する前に自分でもかなり勉強したと思ったのですが、実際に過払い金を請求してみると想定していないことの連続で。特に苦労したのは業者との交渉ですね。手続きも面倒だったのですが、やっぱりプロ相手との交渉が一番労力を使いました。

―具体的にどのようなこと交渉されたのですか?

N;はい、まずは過払い金を証明する段階から、なかなか話は進みませんでした。私の場合、契約した際の証明書や、取引の明細書などを保管していたので、スムーズに話は進むと思っていたのですが、やはり素人なのでところどころ不備があったらしく、何度も訂正しては再交渉といった感じでした。

―業者側に情報公開を請求しなかったのですが?

N:ええ、確かに弁護士などプロであれば、業者が保持している情報を開示させることも簡単なのですが、素人では手続きに時間もかかることもあって、自力で資料を集めました。でも、結果的にかなり時間がかかってしまったので、失敗だったのかなとも思います。

―交渉はどのように進みましたか?

N:はい、やはり思っていた通り相場よりもかなり低い金額を提示されましたね。弁護士相手だと最悪裁判に持っていくことも出来るので、業者側もかなり条件は譲歩してくれるのですが、素人相手なのでかなり舐められていたのだと思います。でも、そこからはかなり粘りましたね(笑)

―最終的に過払い金はどれくらい返還されたのですか?

N:実際に発生していた額の70%で手を打つことにしました。業者側もこちらの粘りにかなり折れてくれたみたいです。私もこれ以上つづけるのは体力的にもきつかったので、結局その額で承諾することにしました。

―しかし、プロ相手に過払い金を請求するとは凄いですね。

N:ありがとうございます。でも、実際にやってみて思ったのは労力と合わないということですね(笑)弁護士に依頼していればもっとスムーズに交渉は進んだでしょうし、返還される金額ももう少しアップしたのかなと思います。その分で費用も賄えたのでは…なんて元も子もないことも考えましたね。

―これから過払い金を請求しようと考えている方に、何かメッセージはありますか?

N:そうですね、よっぽど過払い金に精通した知識を持っていない限りは、自力ではなくやはりプロに依頼した方が早いしお得ということですね。勉強や交渉にもかなりの時間を費やしていたので…。あと、業者によっては素人相手では交渉の席も設けないというところもあるようなので、業者にプレッシャーを与える意味でも法律家に依頼した方が早いと思います。

―本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

N:いえいえ、こちらこそ。たくさん話すことが出来て楽しかったです。