過払い金請求のデメリットを恐れていたAさん

―今回お話を伺うのは過払い金請求のデメリットについて誤解をしていたというAさんです。

Aさん(以下A):おかげで返還してもらったのは時効ギリギリでした。

―では、詳しいお話をお願いしてもよろしいでしょうか。

A:はい、過払い金の存在に気がついたのは友人がきっかけだったんです。


友人の教えから過払い金の勉強を始めたAさん

A:僕が最初にお金を借りたのは大学生のころでした。その頃はバイトを辞めたばかりで遊ぶお金欲しさに融資を申し込んだんです。

―どれくらいの借金を?

A:一番ピークの時で150万円ほど…。あの頃は総量規制もなかったので、バイトでも働いていればお金をたくさん借りられたんですよね。

―しかし、大学生ながら150万円も借りるとは凄いですね。

A:確かに、今考えても無謀だったなと(笑)それから就職して徐々に借金を返済していったんです。実家暮らしだったので返済は比較的楽でしたね。確か働き始めて2年目の夏にはすべて返し終わっていたと思います。

―それから過払い金に気が付いたのは?

A:完済し終わってから3年程度経ってからでした。友人に借金を抱えていたころの話をすると、「もしかすると過払い金が発生しているかも」と言われたんです。そこで、自分で計算してみると確かに過払い金が発生していたのです。


返還請求をするとブラックリストに登録される…?

A:ただ、時効は10年と聞いていたので、それから過払い金についてしばらく勉強したのです。お金に関わることだったのでしっかり勉強しておこうと思って。

―立派なことだと思います。

A:ありがとうございます。ただ、僕の悪かったのはネットで調べるだけで終わってしまったことですね。だから、間違った情報を信じこんでしまったんです。

―その間違った情報とは?

A:はい、それは過払い金を請求するとブラックリストに登録されるというものでした。僕の調べたサイトでは、過払い金を請求すると契約通り返済しなかったことになり、ブラックリストに登録されると書いてあったのです。

―それは事実とは反する情報ですね。

A:ええ、返済中の債務に対して過払い金を請求した場では、確かにブラックリストに登録されることもあるようですが、僕の場合はすでに完済しているので、請求したからといってブラックリストに登録されることはないんですよね。

―そこから過払い金の請求は…?

A:ちょうどその頃にはマンションを買おうかと妻と話していた頃だったので、ブラックリストに登録されては困るなとなって…。ブラックリスト入りした状態ではどのような審査も通らないと聞いていたので。


誤解が解けたのは時効のギリギリだった!

―結局、過払い金の請求は出来ずに…?

A:いえ、そのあと数年経ってから僕の誤解は溶けました。偶然見ていたテレビで過払い気の特集をやっていたのです。そこで、完済した債務の過払い金請求では信用情報に傷がつかないと紹介されていました。

―それは、さぞかし驚かれたことでしょう。

A:ええ、急いで知り合いの弁護士に相談をして、まだ過払い金の請求が出来るかどうか確認をとってもらいました。その結果、ギリギリで過払い金の返還請求を行うことが出来ました。

―しかし、それだけの期間が空いても過払い金は返ってくるものなのですね。

A:そうですね。業者からしても今更かよって感じだったと思います(笑)でも、僕達は本当に不確かな情報に囲まれているんだと、今回の過払い金騒動で学びましたね。

―そうですね。調べ物をする際にネットは便利ですが、信頼性という点では他のメディアより不安が大きいですね。

A:そうですね。でも、この話ネットの記事に載るんですよね?(笑)

―…今回は貴重なお話をありがとうございました。

A:え、はい。どうもありがとうございました。