―今回体験談をお話ししてくださるのは、社会人になって間もない頃に合計3つのキャッシング会社からお金を借りざるをえない状況になった過去を持つTさんです。よろしくお願いします。
Tさん(以下、T):よろしくお願いします。あの頃はまさにがむしゃらでした。
―いったいどのようなきっかけで?
T:きっかけは、僕と妹を男手1つで育ててくれた父が病に倒れたことから始まります。順を追って説明しますね。
―お願いします。
生活費のためになりふり構わず借り入れ
T:父が病に倒れるもっと前の話になります。僕と妹は5歳差なのですが、2人を産んでくれた母は妹が産まれて間もなくして亡くなってしまいました。
―辛い話をさせてしまってすみません。
T:いえ、お気になさらず。それから父は、僕たちのためにがむしゃらになって昼も夜も働いていました。月日は経ち、僕は高校卒業と同時に就職し、すぐに成人式を迎え…父の具合が悪くなってきたのはちょうど僕が社会人3年目になった頃でした。
―Tさんが21歳、Tさんの妹さんが16歳のときですか?
T:そうですね。父が倒れたのはそれから半年ほどでしょうか。僕も社会人になっていたとはいえ我が家に貯金はさほどなく、父の入院費と生活費だけで一気に減っていきました。僕がキャッシングに頼ろうと思ったのはこの時ですね。なりふり構っていられなかったので、手当たり次第に申し込みをしました。
―当時はまだグレーゾーン金利があったと思いますが、いったいどれくらいの金額を借りたのですか?
T:21歳だったとはいえ社会人3年目に入っていたので、キャッシング会社3社から合計で100万円は借りることができました。
過払い金請求に気付いたのはつい最近
―21歳で借金100万円と考えると、ものすごい負担だったのではないですか?
T:実際はもっと借りていたかもしれません。とにかく、父の代わりに今度は僕ががむしゃらになる番だと強く思いました。返しては借りるというスレスレの生活を送って、妹が大学に進学し卒業するまで身を粉にして働いていました。過払い金請求のことを知ったのはその少し後です。
―ものすごい苦労をなされたのですね、お疲れ様です。過払い金請求を知ったきっかけは何でしたか?
T:そのときはもうキャッシングを利用して8年目に入っていたのですが、やはり武富士が経営不振になったニュースを見たのが一番記憶に残っています。借金はまだ残っていましたが初めに借り入れをした頃よりは落ち着いていたので、何度か債務整理の話を聞かせてもらったことのある弁護士さんに過払い金請求の相談してみました。
―あれは大きなニュースでしたね。弁護士さんは何と仰っていましたか?
T:弁護士さんによると、利用していた3社すべてで過払い金を確認できたので請求ができました。結果的に、120万円もの過払い金を返してもらうことができたのでそれで残りをすべて返しました。余ったお金はいつか嫁入りする妹のために貯金しておこうと思います。
―120万円も請求できたということは物凄い金額を返済にあてていたんですね。なにはともあれお疲れさまでした。