過払い金を回収できない「3つのケース」

Case:1 時効になってしまった

過払い金請求には時効があります。完済日から10年以内と決まっており、それを過ぎると請求権がなくなり時効となっていまいます。

詳しくはこちら⇒過払い金の時効について

では、完済後に再び借入れした場合はどうなるのでしょうか?
完済後に再び同じ業者から借入れる人は少なくないですよね。
この場合、時効はいつから計算されるのでしょうか?

例を挙げますと、

鈴木さんは、2000年8月1日にC社でローンを組み、2001年8月1日に完済しました⇒「取引A」

鈴木さんは、2002年1月1日に再びC社でローンを組み、2005年1月1日に完済しました⇒「取引B」

本来なら、取引Aの時効は2011年8月1日、取引Bの時効は2015年1月1日です。

しかし、この事例では、取引AとBの間隔があまり空いていないので、「AとBは継続して行われた一連の取引である」と主張することができます。もし一連の取引であることが認められれば、取引AとBの時効は、最後に取引が行われた2015年1月1日となり、それによって時効期間が長くなります。

では、2つの取引が「一連のものであるかどうか」の基準は、以下のものを参考にしてみてください。

・取引の間隔
※間隔が何年も空いてしまうと難しくなる確率が高まります。

・契約書やカードが同じものか
同じものを使っていることで、一連の取引であると証明しやすくなります。

ただし、実際にはその他の条件も含めて総合的に判断されるため、「これなら大丈夫」という絶対的な条件がありません。

ケースバイケースなので、その道のプロである弁護士さんに必ず相談するようにしましょう。

Case2: 業者が倒産してしまった

過払い金を請求したくても、請求先が倒産してしまっていたら意味がありません。この場合、過払い金が生じていたとしても、請求して回収できる可能性は限りなく低いでしょう。

よくある倒産の原因を2つ紹介します。

総量規制

総量規制により、貸金業者は、借り手の年収の3分の1を超える金額を貸出せなくなりました。なので、規制前に比べてトータルの貸付額が減少してしまいました。貸付額が減少すれば、当然、利息収入も減ってしまいます。その結果、経営が苦しくなり倒産してしまうのです。

 

過払い金請求が殺到

過払い金請求も原因のひとつと言われています。過払い金請求が増えすぎた結果、お金がなくなり倒産してしまうケースは少なくないのです。

Case:3 違法業者からの回収

過払い金請求ができるのは、あくまで相手が正規の業者である場合です。相手が違法業者の場合、過払い金を回収するのはまず不可能です。違法業者は、利息制限法の上限金利など守りません。なので平気で法外な金利をつきつけてきますし、そもそも実態がつかめません。そのため、違法業者からの借入れは過払い金発生の可能性が高いものの、回収は難しいのです。