過払い金の条件となる、グレーゾーン金利とは何だったのか?

最近では耳にすることも少なくなってきましたが、過払い金が発生した条件の一つに「グレーゾーン金利」というものがあります。

グレーゾーン金利が発生していたことによって過払い金が発生し、過払い金が発生している人がキャッシング会社に対して払い過ぎた利息を返還してくれるように請求することが過払い金返還請求の全容となっています。

しかし、グレーゾーン金利とは何なのか知らない人も多いと思われますので、今回はグレーゾーン金利について詳しく紹介していきます。


グレーゾーン金利とは、2つの法律によって生まれた金利となっている

グレーゾーン金利というのは、違法だけど罰則がない2つの法律が元になって生まれた貸付金利のことを指しています。

日本の法律というのは先進国の中では特に矛盾点の多い法律として知られていて、このように「法律には違反しているけど、罰則がない」という法律が山のようにあります。

その矛盾点をついて生まれたのがグレーゾーン金利となっていて、2016年現在の貸付金利から比べると10%以上も金利が高くなっているのが特徴的です。

そして、グレーゾーン金利のポイントになった2つの法律というのが、「利息制限法」と「出資法」の2つとなっています。

どちらを優先するのかということについては、グレーゾーン金利が適用されていていた当時では区別がなく、キャッシング会社としては、利益率の高い高金利となっていた出資法の29.2%を上限として採用している企業が多かったとされています。

ちなみに、利息制限法では、15%~20%が上限金利となっていたために、グレーゾーン金利が撤廃された現在では、利息制限法の金利が上限となっています。


貸付金利が高ければ高いほど、キャッシング会社の利益率は高まる

キャッシング会社を利用すると、必ず金利を上乗せして返済するということになるのですが、この貸付金利というのは、キャッシング会社にとっての「利益」となります。

そのため、貸付金利が高ければ高いほど、キャッシング会社の利益率が高まるということになるのです。

例えば、100万円を1年間借りたとすると、貸付金利が年利15%のケースでは1年間に15万円の利息を上乗せして、115万円を返済するということになりますが、年利が30%になると、30万円の利息を上乗せして、130万円を返済するということになってしまいます。

また、キャッシング会社から借りた利息というのは、複利計算されるケースが多いために、実際に返済する金額は、これ以上の金額となるケースが多いです。

このように、キャッシング会社が利益を求めたために、違法でありながらも罰則がない金利を適用する風習があったということで、グレーゾーン金利が誕生したということになります。


どれくらいの利用があればいくらの過払い金が発生するのか?

過払い金の返還請求が盛んだった数年間ですが、実際にどれくらいの過払い金が返還されたのか気になるという人も多いと思われます。

過払い金というのは、単純に「払い過ぎた利息」となっているために、払いすぎていない利息に関しては返還を請求することが出来ません。

そして、利息制限法の上限は20%となっていて、多くのキャッシング会社が出資法の上限となっている29.2%だったために、単純に計算すると、9.2%以上の利息分が返還されたということになります。

この金額は借りていた金額と借りていた期間によって大きく異なりますが、グレーゾーン金利が採用されていた当時は、総量規制というものもありませんでしたので、信用があればいくらでも借り入れをすることが出来た時代でもありました。

そのため、一般的なサラリーマンでも300万円~500万円ほどの借り入れをしているケースも多くなっていて、さらに数年間に渡って利用を続けていたというケースも少なくありませんので、過払い金の返還請求では数百万円の返還があったということも珍しくありませんでした。