大手のキャッシング会社でも、過払い金の返還を渋る業者は存在する

2016年現在、大手のキャッシング会社のほとんどは、大手銀行の子会社または連結グループ会社になっていることが挙げられます。

しかし、このような大手のキャッシング会社でも、グレーゾーン金利が適用されていた頃はグレーゾーン金利で貸し付けを行っていたために、当然のことながら過払い金の返還請求をされていたということが特徴的です。

原則として、過払い金の返還を請求された場合は、満額を早急に返還するのがキャッシング会社の義務となっているのですが、大手のキャッシング会社の中にも、過払い金の返還を渋るような業者は存在しています。

今回は、その大手のキャッシング会社について、実名を伏せて紹介していきます。


一時は倒産の危機にあった大手キャッシング会社について

2016年現在では大手のキャッシング会社が倒産したというニュースを耳にすることも無くなりましたが、グレーゾーン金利が撤廃された2006年頃は大手のキャッシング会社でも倒産してしまうということが珍しくありませんでした。

有名なのが、当時の業界No.1の声も高かった武富士の倒産だと思われます。

武富士は1966年に創業された富士商事が前身の貸金業者となっていますが、何よりも凄かったのが、一代で武富士という巨大消費者金融を立ち上げたということで知られていました。

この武富士も2010年には富士クレジットに債権を譲渡し、そのまま倒産することになりました。

このように、大手のキャッシング会社でも倒産してしまうほどの消費者金融業界の不況と呼ばれていた時代に、現在主流になっている大手のキャッシング会社も窮地に追いやられていました。

このような背景があり、過払い金を全て返還してしまうと、会社が倒産してしまうということから、過払い金の返還請求を行った人に対して、和解を促す手紙を送付したり、過払い金の返還請求をされても満額の返還に応じなかったりした企業が存在しています。


通常の返還期限よりも3倍以上の時間が掛かるケースも少なくない

今回紹介している大手のキャッシング会社では、過払い金の返還請求をした際に、通常3ヶ月程度で返還される過払い金が、平均して9ヶ月以上掛かるというように、3倍以上の期間が必要なケースが多くなっています。

これは、必要以上に期間を延ばすことによって、請求者が折れるのを待っているという悪質な状況になります。

しかも、個人で請求した場合には裁判をするというような徹底的に請求者に対しての嫌がらせをすることでも知られているために、請求した人にとっては時間もお金も使う厄介な業者となっています。


多くの中小キャッシング会社を吸収合併しているということでも知られている

今回の大手キャッシング会社では、多くの中小キャッシング会社を吸収合併していることでも知られています。

その数は、業界の中でも指折りとなっていて、中小キャッシング会社の債権や債務を譲渡されて吸収合併しているために、中小キャッシング会社に対して過払い金の請求をしたい場合でも、合併後の大手キャッシング会社に対して請求しなければならないという状況になっています。


2016年現在では、時間はかかるが満額返還されることも多くなっている

ここまで紹介してきた大手キャッシング会社についですが、2016年現在では過払い金の返還請求についても落ち着いてきたということもあり、過払い金の返還請求をしても、嫌がらせや和解を持ちかけられることは変わりませんが、裁判まで起こされて最後まで行った場合は満額の返還が行われることも多くなっているとされています。

しかし、1年弱の期間、裁判や手続きなどで労力もお金も使わなければならない状況になると、過払い金の返還請求をしても赤字になってしまうことも多く、和解で済ませてしまう請求者が多いことも問題として残されています。