―これまで請求をして多額の過払い金を取り戻すことが出来た方々の体験談をお伺いしてきましたが、今回は請求が上手くいかなかったSさんにお話しをしていただきます。よろしくお願いします。
Sさん(以下、S):お願いします。キャッシングを利用したのはもう20年くらい前なのですが、似たような境遇の方がいらっしゃれば話を聞いてほしいと思い今日は来ました。
―わざわざありがとうございます。なぜ請求が上手くいかなかったのでしょうか?
S:10年以上経つと時効になってしまうからと聞きました。遡ってお話しますね。
震災を機に二世帯住宅を購入
S:私が初めてキャッシングを利用したのは1995年です。阪神淡路大震災があったのでよく覚えています。
―大きな災害でした。Sさんは被災されたのですか?
S:私自身は東京に上京していましたが、実家は大阪にあったので両親が被災してしまいました。幸いにも両親は二人とも大きな怪我をすることもなかったのでほっとしたものです。
―それは大変でしたね。
S:両親は無事でしたが実家は半壊してしまいました。そこで、これを機に両親を東京に呼んで私の家族と二世帯住宅にすることにしました。貯金と国からの被災補助金はありましたが、実家と新居の手続きで思ったよりも費用が掛かってしまいました。お金を借りたのはこの時ですね。
―不動産関係は何かと費用が掛かってしまいますよね。
S:銀行で住宅ローンを申し込めばなんとかなると高を括っていたのですが足りなくて、やむなく貸金業者からも80万円ほど借りました。
完済から10年以上経ち過払い金を知る
S:貸金業者は29.2%という高金利だったので、ローンを返しつつもとにかく早く完済しようと動きました。そのおかげもあってか2000年に入る前に完済することもでき、あとは住宅ローンだけという状況にすることができました。
―1999年の10~12月ごろでしょうか。4年かけて返済なされたということは相当利息が重かったのではないですか?
S:そうですね、意外と時間が掛かってしまいました。過払い金のことを知ったのはその10年以上後の2012年でした。テレビコマーシャルで過払い金のCMがよく流れているのを見て、自分も当てはまるのではないか?とインターネットで検索してみました。
―あの時期は、過払い金のテレビコマーシャルを見ない日はないくらいよく流れていましたよね。
S:検索して確信を得た私は、インターネットで人気のあった法律事務所に電話をしてみました。相談を聞いてもらうところまではよかったのですが、完済してから12年経っていると言ったところで雲行きが怪しくなっていきました。弁護士の方が言うには、過払い金にも時効があり、最後の取引から10年以上経っていると請求できない可能性もあるそうです。
―ええっ。今は2015年ですから、それだと2005年前後に完済なされた方も請求できるかわかりませんね。
S:そうなんです。だから、金利が29.2%だった頃にキャッシングを利用していたという方は、早いうちに実績のある法律事務所に電話相談をしてみてください。まだ間に合うかもしれない…。聞いていただきありがとうございました。
―思い当たる節がある方は早いうちに動いてみましょう。ありがとうございました。